後天性免疫不全症候群(エイズ)は、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)に感染して
発症する病気の総称です。
発症すると、病原体に対する免疫機構(抵抗力)が破壊されるため、さまぎまな病気
にかかりやすくなります。
また、自覚症状のない潜伏期間が長いため(個人差はあるものの平均的に10年
前後)、知らずに性行為などで他人にうつす状態が続いていくことになるのです。
初期症状は、感染後1週間程度で見られます。喉の痛み、高熱、筋肉痛など、
風邪の症状にも似た状態が2週間ほど続いて、その後スッキリと治まってしまいます。
厄介なのは、この時期に検査をしても感染を検知できないという点です。
HIVは、感染後3ヵ月程度経過しないと検知することができないのです。
初期症状を過ぎると、自覚症状のない潜伏期間に移行します。
たとえH−Vに感染したとしても、 自覚症状がないということは、HIVに感染して
いても自分自身気づかない状態なわけですから、少しでも心配な人は迷わず検査を
受けることにしましょう。最寄りの保健所に連絡をとれば、匿名・無料で検査を
受けられます(病院でも検査を受けられますが、この場合は有料になります)。
また、検査結果が陽性であったとしても、適切な治療を受ければエイズ発症には
至りません。
HIVの感染源には、感染者の血液、精 液、膣分泌液、母乳などがあります。
何らかの事情による「注射器の共用」などは絶対に避けるべきです。
近年、エイズによる死亡率は低下していますが、感染者数は増加しています。
特に、若年層の男女間性行為による感染率が確実に増えているのです。
性行為による感染を防ぐためには、コンドームの正しい使用が効果的です。
また、エイズは決して特別な病気ではありませんので、必要以上に怖がったり、
特別視してみたりなどの「誤解や偏見」を一切持たずに、患者の人権と
プライバシー保護に努める必要があります。
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